庇を抜けた先の湿る廊下を、多くの人が行き交う。右手の階段を登れば、事務所へ。目の前、開きっぱなしの自動扉の奥の広い食堂も、学生でワイワイ賑わう。 視線の先の湿った廊下で、一人の男子学生がドスッと尻もちをついた。 一瞬ざわつく様子を感じた高井君が、背後を振り返る。大丈夫ですか? 高井君が一番先に転んだ彼に近づいた。 転んだ彼は高井君の知り合い? ううん、知らない人っぽい。 こういう時、高井君は必ず動く。そういう人だった。