紺桔梗の転調





 入り口で傘を閉じる高井君が、ニッと笑って手招きする。こういうパターンで友達を作ったことがない、果たして仲良くなれるのだろうか。平凡な宮崎奈緒(みやざきなお)のどこをどう見て、思ったんだろう。

 そんな、嫌、無理! ではない、けど。接点のない人と、友達になるスタンスで会話を始めるって、結構気まずい。したことない。高井君のコミュ力、私は持ってないし。

「仁志君にも、何か話してるの?」

「ううん? 全く。仁志君、今日はもう帰った。明日、言っとくよ」

「……私は仁志君と似てる要素ないよね」

「どうだろう? 俺、仁志君と同じ中学だけど、悪い人じゃないよ」