「昼休みあと30分か、近いし食堂行こっか」
立ち上がる高井君は、誰でも入れる大きな傘をバサッと広げる。
私も自分のベージュの傘を広げる。高井君と中庭を抜け、ものの十秒で着く、食堂の入る5階建ての建物を目指した。この建物は地下に売店が、上の階は何かと手続きを行う際に利用する事務所がある。
「ね、宮ちゃん」
「ん?」
「あのさ、仁志君と親しくなる気ない?」
ポツポツ、パラパラ。
キュッと口角を上げた高井君の声と、地面を歩く靴の擦れる音、微かな雨音が混ざる。ちょっとよく分からない、何かを聞き間違えたのか? 首を傾げた。
