冷たい狼さん、私にだけは甘いです?!

『困ったら言って。』

小さく、離れていく先輩の背中を見ながら心の中で反復する。

…言えるわけ無いですよ。言わないです。

何より…


「悪化させたくせに…。」


周りのざわめく声が耳に刺さる。

あー、ほんと…どうしよう。



―と、一人の女子が近づいてくる。

…さっきの引き止めてきた子だ。


「朱里さん、あの…。」


何言われるんだろう。

また、どうすればいいか?

聞かないでよ。先輩に聞いてよ。


「…えっと…。」

「?」


…え?

さっきまでと違って、歯切れ悪く…目を泳がせてる。

な、なに?



やっと口を開いて飛んできた言葉は…


「…付き合ってるの…?」

「…え?」


耳に届いたのは予想とは違う言葉。

なわけ…何を思ってそうなったの?!


「違う違う!

付き合ってないよ。」

「…ほんとに?」

「うん。」

「でも…隠してない?」


…これ、もしかして私が何言っても怪しい…?

どうしたらいいの?

…ほんと、「困ってます」先輩。