冷たい狼さん、私にだけは甘いです?!

「あ、朱里…。」

「…なんですか?」


一ヶ月もすれば慣れる…いや、正確には諦めるに近い。

最近は見かければ先輩が声をかけてくるようになった。

そして、噂なんて少しすれば収まると思ってたけど…さすがは輝先輩。

まだ、噂は消えない。



最近では、私を邪魔者扱いする女子もちらほら出てきたぐらい。

…私、なんかした?



―「…どうしたらいいと思います?朝日先輩ー。」

「そーねー。」


朝日先輩はペットボトルを手の中でクルクル回しながら笑った。


「菜々ちゃんは透乃が惹かれる何かがあったのかもね。」

「えぇー。先輩までそんなこと。」

「ん?割と本気よ?」


朝日先輩が真っ直ぐに見つめてくる。


「い、いやいや。

ないですよ!」


先輩の真っ直ぐな瞳は正直読めない。

ほんとの本気なのか、冗談なのか。


「んー…じゃあ、菜々ちゃんは透乃嫌い?」

「え…?」


朝日先輩はにこっと笑って見てくる。

…先輩も、割とわからない人…だよね。



嫌い?…かぁ。


「わかんない、です。」

「そう?

私には嫌いに見えないけど。」

「な、んでですか?」

「人は、嫌いならもっと拒絶すると思うけど?」


なんか、核心つかれたかも。

拒絶したい、までは思わない…かも。


「ま、今はいっか。

それどころじゃないもんね。菜々ちゃん。」


あぁ、そうだ。


「…はい。」


拒絶

なんか、頭に残るなぁ。



あ、でも…もう怖くは、ないかも。