女神アフディーと透明な子

 ですが、アフディーだけは完全に違いました。

 せっかくの優雅な休日を台無しにされ、お気に入りのペプロスまでずぶ濡れにされたのです。

 彼女は一人、怒りで顔を真っ赤に沸騰させていました。

「無礼者! 誰じゃ、隠れておらんで姿を見せるのじゃ!」

 アフディーがキッと睨みつけた、ちょうど真後ろから、またしても楽しげな声が聞こえます。

「やーい! 僕はこっちだよ!」

 青い鳥が、大慌てで羽をバタつかせながら主人に叫びました。

「アフディー様、後ろ! 後ろですぞ! 後ろから声がします!」

「どこじゃ! どこにおるんじゃ!?」

 アフディーが勢いよく振り返りますが、今度はまたその背中側から声がします。
 右を向けば左から、後ろを振り向けば今度は目の前から。

 まるで自分の周りをぐるぐると走り回られているかのように、声はあちこちから降ってきます。

 姿の見えない相手にオモチャにされ、アフディーのイライラはついに沸点に達しました。

 彼女はヤケクソ気味に地団駄を踏むと、やけっぱちの大声で魔法の呪文をぶちまけました。

「ウホマイシラバスハレコ――ッ!」