海龍〜俺達の姫〜

すると

柾斗がゆっくり芹羽の前にしゃがむ

柾斗「じゃあ、休め」

芹羽は目を見開く

柾斗「無理に笑わなくていいし、戦わなくてもいい」

少しの沈黙の後

柾斗「海龍に来い」

静かな声だった

だけど、不思議なくらい温かかった

奏斗「海龍はさ、絶対に仲間を一人にしないから」

その言葉に

芹羽の目から、涙が零れ落ちた

止まらなかった

誰にも信じてもらえなかった

誰にも助けてもらえなかった

だけど今

“居場所”がある気がした

雨はまだ降っている

それでも

芹羽の世界は、少しだけ変わり始めていた