海龍〜俺達の姫〜

柾斗「亜稀羅さんから話は聞いてる」

兄の名前に、芹羽の肩が揺れる

芹羽「……お兄ちゃん?」

柾斗「お前を預かってほしいって頼まれた」

少し前―― 

亜稀羅は海龍の溜まり場へ来ていた

亜稀羅「……頼む、妹の芹羽を預かってほしい」

珍しく弱った顔だった

柾斗「理由はなんですか?」

亜稀羅「理由は………今は説明できない。
    とにかく、今の芹羽は危うい状態なんだ」

奏斗「……」

亜稀羅「俺じゃ守りきれねぇ時がある。
    仲間思いなお前らだから、預けたい………」

沈黙の後

柾斗は静かに答えた

燗咲 柾斗「分かりました」

現在――

芹羽は視線を逸らす

芹羽「……いらない」

柾斗「……」

芹羽「放っといて。もう疲れたから……」

震える声