海龍〜俺達の姫〜

その日の帰り道

芹羽は雨の中を一人歩いていた

芹羽「……消えたい」

小さく零した言葉

すると――

ブォン……

低いエンジン音が響く

数台のバイク

目の前で止まった

黒い特攻服

胸元に刻まれた文字

――海龍(かいりゅう)

その中心に立っていた男が、静かに芹羽を見る

燗咲 柾斗(かんざき まさと)

そして、その隣にはよく似た顔の男

燗咲 奏斗(かんざき かなと)

双子だった

芹羽「……誰」

奏斗「怖がらなくていいよ」

柔らかく笑う奏斗

対して、柾斗は真っ直ぐ芹羽を見る