世界で一番、近くて遠い推しとの恋

大好きな碧くんに振られてしまった。
私は今美容専門学校に通っていて、卒業後にはFrooveのメイクさんになりたいと思っていた。
でも、もう振られてしまったから・・・その道は途絶えたのだ。
碧くんはレディーファーストで紳士で、優しいリーダーだった。
わちゃわちゃしてるメンバーとは一線を引いてるものの、メンバー全員に愛されてる母猫のような存在。
今思えば、私にはもったいなさすぎる人だった。
それでも惨めなほどに諦めがつかない自分が嫌いだ。

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夜。
メッセージアプリに通知が来た。
もしかして碧くんでは、と心を躍らせたものの、メッセージを送ってきたのは、
「あ、初途か・・・」
Frooveの末っ子メンバーであり、私の幼馴染の八尋(やひろ)初途(ういと)
通知内容は『ねぇ』だけ。
催促してほしそうなので『どうしたの?』と送ってみると。

『碧となんかあった?』

そのメッセージを読んで、驚いた。
もしかして碧くんは、メンバーに別れたことを伝えてないんだろうか。
もしかして、言いたくないのかな・・・?

『どうして?』

いちおう聞いてみると、初途はすぐに返信をしてきた。

『いや、今日宣材写真の撮影あったの知ってる?そこの楽屋で碧が泣いててさ』

碧くんが泣いてた・・・?
あの、感情を表に出さず、いつも優しい笑みを浮かべてる碧くんが?

『なんか、ねおの名前呼んでたから、なんかあったのかなって。喧嘩でもした?』

喧嘩・・・ううん、私が一方的に悲しんでいるだけの別れ話だ。
でも、碧くんがメンバーに言いたくないなら・・・。

『ううん、碧くんが私に嫌なこと言っちゃったって思ってるみたい。全然不快に感じなかったから、気にしなくていいんだけどなぁ』

大噓をつくと、少し間があいたあと、

『ふぅん、そっか。わかった。おやすみ』

と返信があり、初途とのやり取りは終了した。