「……前? 私が前なの? 隣とかちょっと後ろじゃなくて?」
「うん、前。俺は美咲の背中を追いかける。そうしたらどこまででも行ける気がする」
きらめく波間を見つめるような、眩しそうな目で瞬也は私を見ている。
「……瞬也の一歩前を走り続ける、か……」
口にしてみたら、それは不思議なくらいすとんと私の中に降りてきた。
そうだ──昔から私はいつだって自分のやりたいことをやってきた。そんな私にたくさんの仲間や後輩がついてきてくれていた。
バイタリティが取り柄だったのに、ここ数年は少し視界が曇っていたような気がする。
でも、そう気づいたから私はもう決めたんだ。
穏やかな毎日に安穏と浸かる生活は、もうおしまいだって。
本当の幸せは、そんなことじゃ掴めない。
一日一日を必死に、戦いながら生きる。その先に幸せがある。
「──うん、任せて! 一緒にどこまでも走っていこう!」
よし。
これはいっちょう本腰入れて、里中美咲一世一代の大勝負を、どーんとかましてやるか!
瞬也の大きな掌をしっかりと握り返して。
私達は北風の吹き抜ける歩道を、並んで前に進んでいった──…。
「うん、前。俺は美咲の背中を追いかける。そうしたらどこまででも行ける気がする」
きらめく波間を見つめるような、眩しそうな目で瞬也は私を見ている。
「……瞬也の一歩前を走り続ける、か……」
口にしてみたら、それは不思議なくらいすとんと私の中に降りてきた。
そうだ──昔から私はいつだって自分のやりたいことをやってきた。そんな私にたくさんの仲間や後輩がついてきてくれていた。
バイタリティが取り柄だったのに、ここ数年は少し視界が曇っていたような気がする。
でも、そう気づいたから私はもう決めたんだ。
穏やかな毎日に安穏と浸かる生活は、もうおしまいだって。
本当の幸せは、そんなことじゃ掴めない。
一日一日を必死に、戦いながら生きる。その先に幸せがある。
「──うん、任せて! 一緒にどこまでも走っていこう!」
よし。
これはいっちょう本腰入れて、里中美咲一世一代の大勝負を、どーんとかましてやるか!
瞬也の大きな掌をしっかりと握り返して。
私達は北風の吹き抜ける歩道を、並んで前に進んでいった──…。

