君と私の交換ノート。

「黒川のことが好きだ。オレと付き合ってほしい。」

始めまして。黒川寧々です。

人と関わることが大嫌いです。

ちなみに、腹黒なのは自覚しているのでお気になさらず。

そして今、人生で一番めんどい人
イケメン不良・高橋蒼生から告白されています。

「ごめん、無理。」

納得してくれるかはわからないけど断っておく。

「は?どうして?」
怒りの混じったような、高橋くんの声が上から振ってきた。

逆ギレだ。あーあ、めんどくさい。

「おい、なんか言えよ」

ヤバ、めっちゃキレてんじゃん。

顔を上げると、鬼の形相で私を見下ろす、高橋蒼生がいた。

「あ、えと…」

とりま、か弱い女の子を演じとこ。

そうすると高橋くんは突然謝った。

「ごめん。優しくいったつもりが強く言ってしまったかも。怖がらせてごめんな。」

高橋くんは、私の顔を覗き込んで心配そうに見つめた。

よし、騙された。

私、人一倍演技が上手いからね。

「い、いや。ううん。大丈夫。」

「私も、人と話すのが苦手で。うまく伝えれなかった私も悪いから。
私は高橋くんとは付き合えない。ごめんね。じゃ」

人と話すのが苦手というのは、あくまで高橋蒼生から逃げるためのカモフラージュだ。

離れるためにすぐその場から離れようとする。

「ちょっと待てって!」

突然手を掴まれた。

まだ諦めないのか。しつこい

「なぁ、急に付き合えって言われても無理だろうから、交換ノート初めてみないか?これなら、話さなくてもいいから、黒川も大丈夫だと思う。」

交換ノート。

最後に友達とやったのはいつだったけ。
確か、小学生くらいだったような。

すごく楽しかった記憶がある。

でも、高橋くんとやるとなると別だ。

少しやってみて、途中でもうやりませんよアピールしとけば諦めてもらえるかも。

「いいよ。だけど、部活があるからすぐには回せないかも。」

中学では、部活がある。

ちなみに私は、吹奏楽部だ。

嘘ばっかだったけど、忙しいのは事実だ。

「すぐに書かなくてもいいから。オレ今日暇だから、書いてくる」

今日!?こ、行動が早い。

めんどくさがりな私と正反対だ。

「書き終わったら、下駄箱に入れて置くから読んどけよ。じゃあな。」

なぜだか、唐突に嫌気がさした。

私、あの人苦手かも。

なんというか、俺様でザ☆不良って感じがする。

私は静かに学校生活を送りたいというのに、高橋くんといたらうるさくなりそう。

キーンコーンカーンコーン。

学校の予鈴がなった。

時計をみるともう5時半だった。

まずい。門限までに間に合わない!

寧々は走って児童玄関に向かった。 

これが、恋の始まりだとも知らずに…