The Brave

悲鳴が車内に響く。自分のものなのか、栞ちゃんのものなのか、わからない。ただ恐怖だけがあった。時間がゆっくりに感じる。

強い衝撃を感じた刹那、目の前が真っ暗になった。



「ーーーちゃん。空ちゃん!起きて!」

体を叩かれて目を開ける。目の前には、泣いている栞ちゃんがいた。えっ?あれ?車の中じゃない?

自分は体を起こす。真っ白な空間が広がっていた。右を見ても、左を見ても、下を見ても、上を見ても、ただ白だけが広がっている。どこか不気味だ。

「えっ?ここ、どこ?」

「わからん。あたしも気が付いたらここにおって……」

「ていうか、自分らトラックにぶつけられたんじゃ……」

自分がそう言った時だった。上の方がピカリと光った。何だろうと二人で上を見上げる。白い光の中から人が現れた。えっ?人?

「加藤空。大野栞。すまなかった」

光の中から現れたのは、漫画に出てきそうな仙人みたいな人。長い白い髭、長い白い髪、真っ白なヒラヒラした長い衣装。ここ一体が白一色だから、目がチカチカしてきた。