愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく


初対面にも関わらず、はっきりと否定してくる。
遼だけしか見えていない恋する女。

『そうだな。誕生日が同じところ。遼に捨てられないように頑張れよ…』

『頑張ります』

『あはは、そうきたか。誕生日おめでとう』

気が強いかと思えば素直すぎて、心配になる。
大丈夫だろうか?

傷つかなければいいのにと、彼女の頭を撫でていた。

翌日、帰宅すると、珍しく兄貴と彼女の西園寺 麗華が宝石商が持参した指輪やネックレスを吟味していた。

8歳差があるせいか、兄貴は平静を装って大人の男を演じているが、どうやら彼女に群がる男どもを近づけたくないようだ。

ふと、彼女に似合いそうだと思うネックレスを手に取った。

横から麗華が、『それ素敵よね。蓮、誰かにあげるの?』

相澤 菜穂の顔がチラついた。

彼氏だと思っている男に祝ってもらえない可哀想な彼女への誕生日プレゼント。

メッセージカードを添えて包んでもらった。

会えるかどうかも分からず、渡す機会があるかもわからないのに、鞄に入れて持ち歩いたりして、らしくない事をしている。

運良く食堂で彼女を見つけた時、一緒に目に入ったのが、兄貴の女、麗華だった。

どうやら彼女は、麗華の懐に入ることのできた友人らしい。