愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく


純粋に自分の誕生日が、会ったことない奴の誕生日を祝う為のパーティーに変わり、気落ちしていただけのようだ。

彼女の誕生日を祝ってやらないなんて、遼も酷い事をする。

なんのつもりで彼女を連れてきたのか知らないが、俺の誕生日にかこつけて、酒を呑んで、くだらない話で盛り上がっている。

誰一人「誕生日おめでとう」と言わない。

俺は別に祝ってもらわなくていいが、彼女は遼に祝って欲しかったのだろう。可哀想になり、つい彼女に構ってしまう。

『へー、同じ誕生日の奴に会うなんて初めてだ。いくつになったんだ?』

『21歳です』

『一つ違いか⁈会ったことないよな?』

『はい、高校3年生の時、転校してきたんです』

『へー。遼とは、いつから?』

『成人式の日です。ねっ、遼⁈』

隣にいる遼に相槌を求めた横顔は、恋する顔そのもので、可哀想だが、遼に相手にされず拗ねている顔は、可愛いなと思った。

だからつい、名前を聞いてしまった。

『お前、名前なんて言うの?』

『相澤 菜穂』

『おれ、桐谷 蓮。遼の奴、知らない女連れてきてどうかと思ったけど、お前のこと気に入ったよ』

『気に入られるようなことありませんでしたけど』