2人で過ごした時間が壊れていった。
ショックだったことは否めない。
だけど、これですっきりと別れられる方が勝っていたのだ。
『先に帰ってて』
蓮にそう言うと、私は、隣の部屋へ向かい、壁をノックする。
『入るね』
私の登場に、その場が凍りついていく。
『…な、ほ。どうして?』
『どうして?そうね。今日は、私の誕生日で友達とお祝いにきてたの』
『そうなんだ。誕生日か、おめでとう』
『ありがとう。遼も結婚おめでとう』
引き攣りながら笑う遼に、にこりと笑い返す。
『えっ、菜穂、その…説明するから、落ち着け』
慌てているのは遼達のほうだ。
『私は落ち着いてるわ。説明もいらない。ただ言わせて…サイテー男。EDになってしまえ……』
強烈な一撃をお見舞いし、痛がる遼を見てすっきり。『バイバイ』と手を振りラウンジを出た。
エレベーター前の壁に寄りかかりながら、蓮は私を待っていたようだ。
『帰らなかったの?』
『泣きそうなお前を1人残して帰れるかよ』
『あ、りがとう…』
蓮の優しさに胸が熱くなる。
エレベーターに乗ると、そっと抱擁してきて、慰めるように頭を撫でていく。
『泣き止むまで胸を貸してやる』
地下駐車場に着くまで蓮の胸に顔を埋め涙を流した。



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