『誰かに結んでやってたのか?』
『転校前の高校がネクタイで、毎日ネクタイを結んでいたから、慣れてる』
『へーそうか』
結び終わると、窓ガラスの前で嬉しそうにネクタイ姿の自分を見ている蓮を見て、プレゼントしてよかったと思う。
『遼に祝ってもらわなくてよかったのか?』
誘った本人が今更何を言ってるんだと思いながら、グラスの中の氷を回しながら答える。
『うーん。連絡ないから忘れてると思う』
『彼氏なら誕生日だって言えばよかっただろ?』
『彼氏ならね?もう、わかんない。私、遼の彼女なのかな?』
『バカ女』
隣にドサっと座った蓮に、頭の上を手のひらで掴まれて、揺さぶられた。
蓮なりの励ましらしい。モヤモヤと悩んでいても仕方ない。
『そうだね、言えばよかった』
『今日は、俺で我慢しろ』
優しく笑う蓮。
『我慢なんて…してない。蓮といると楽しいし、言いたいこと言えるし、なんか一緒にいて安心する』
驚き顔の蓮が、顔を崩して笑い、照れを誤魔化そうとおちゃらける。
『まるで告白みたいだな』
黙ってしまった私。蓮も自分の言った言葉に固まってしまったようで静かになる2人。
『お前、結婚するんだって?うちのお袋が驚いてたぞ』



![(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1631187-thumb.jpg?t=20210301223334)