愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく


『誰かに結んでやってたのか?』

『転校前の高校がネクタイで、毎日ネクタイを結んでいたから、慣れてる』

『へーそうか』

結び終わると、窓ガラスの前で嬉しそうにネクタイ姿の自分を見ている蓮を見て、プレゼントしてよかったと思う。

『遼に祝ってもらわなくてよかったのか?』

誘った本人が今更何を言ってるんだと思いながら、グラスの中の氷を回しながら答える。

『うーん。連絡ないから忘れてると思う』

『彼氏なら誕生日だって言えばよかっただろ?』

『彼氏ならね?もう、わかんない。私、遼の彼女なのかな?』

『バカ女』

隣にドサっと座った蓮に、頭の上を手のひらで掴まれて、揺さぶられた。

蓮なりの励ましらしい。モヤモヤと悩んでいても仕方ない。

『そうだね、言えばよかった』

『今日は、俺で我慢しろ』

優しく笑う蓮。

『我慢なんて…してない。蓮といると楽しいし、言いたいこと言えるし、なんか一緒にいて安心する』

驚き顔の蓮が、顔を崩して笑い、照れを誤魔化そうとおちゃらける。

『まるで告白みたいだな』

黙ってしまった私。蓮も自分の言った言葉に固まってしまったようで静かになる2人。

『お前、結婚するんだって?うちのお袋が驚いてたぞ』