おしえて、君のぜんぶ

翠が笑いながら走り出した。




「待てって翠ー!!」




湊斗が追いかける。




その後ろを、琉華と瑞生がぱたぱた追いかけた。




夕方。




オレンジ色に染まった帰り道。




「るかと湊斗くん、しょうがっこうべつなんだよね」




瑞生がぽつりと言った。




急に静かになる。




「……でもまた会えるでしょ」




湊斗が石を蹴りながら言う。




「ぜったい」




「うん!」




翠が振り返って笑った。




「俺らずっと友達だし!」




その言葉に、琉華が少しだけ目を細める。




風が吹いて、みんなの帽子が揺れた。




「じゃあさ」




琉華が小さく言う。




「おおきくなったら、また4人であそぼ」




「いいね、それ!」




「約束な!」




小さな指が集まる。




翠の指。




瑞生の指。




琉華の指。




湊斗の指。




ぎゅっと重なった。




その帰り道の最後。




別れる交差点で。




「またあした!」




4人は笑って手を振った。




その“あした”が、




6年後になるなんて知らないまま。