庭でサルビアが笑ってる




 どう考えてもおかしいと思ったんだよ。


 どうしておばあちゃんちの倉庫から、こんないかにも昭和って感じの家で寝てるのかって話だし。


 夢なら全部がつく!


 あー、よかった!


 ……あれ?


 でもどうやって目を覚ませばいいんだっけ?


 頬をつねってみる。痛い。目は覚めない。


 目をつむって「覚めろ!」と強く念じてみる。


 ……やっぱり目は覚めない。


 やばい。どうしよう。



「お水持ってきたわよ」



 女の子が部屋に戻ってきたけど、返事をする余裕はない。



「大丈夫? 顔が真っ青だわ」



 私をのぞき込む女の子は本当に心配そうで、夢の中なのに申し訳ない気分になった。


 しっかりしなさい、璢音。


 夢なら必ず覚めるものなんだから。


 こんな優しい子に心配をかけちゃだめ。


 そう言い聞かせて、女の子の目をまっすぐ見つめる。