「うちの庭で倒れてたのよ。ほら、あそこのサルビアが咲いてるとこ」
女の子が指さす先には、サルビアがそのまま植えられている箇所があった。
「倒れてた……?」
「ええ。覚えてないの?」
女の子の質問に、私は「ちっとも」と返すしかなかった。情けない。
「そうなの……ちょっと待ってて、お水をくんでくるから」
女の子は、「時間が経てばなにか思い出すかもしれないわ」と部屋を出ていってしまった。
いい子そうでよかったけど、まだ展開に頭が追いつかない。
おばあちゃんが倒れたから、掃除と看病のためにお母さんと一緒におばあちゃんちに行って。
サルビアに水をやって、倉庫掃除をしようとして。
画用紙が入ってる木箱を落としちゃって、その中の一枚にサルビアの絵が描かれてて、それを見てたら眠くなって……眠くなって?
「そっか、これ夢か」



