「だめだ、なんにも思い出せない……」
それなら周りの状況をもう一度確認しよう。
私は自分が着ている服を確認した。
Tシャツにデニムパンツ。うん、おばあちゃんちに行ったときのままだ。
でも履いてきたサンダルはどこだろう?
都合よく庭先に転がってないかな、とそろそろ四つん這いで軒先近くまで出てみた。
「あった……!」
しかも丁寧にそろえて置かれてる。
とりあえずホッとする。
誰が連れてきたのかはわからないけど、サンダルをそろえて布団に寝かしてくれる人なら悪い人じゃなさそう。
そう思っていたら、襖が開く音がした。
「あら、目が覚めたのね」
……これまた古めかしい。
目の前にいる女の子を見て真っ先にそんな感想が出てきた。
肩を少し過ぎたくらいの髪は三つ編みにして、服はシンプルなワンピース。
なんともレトロな姿だった。



