私が噛みしめるように言うと、お母さんはうなずいた。
「そうね、おばあちゃん……自分で自分をほめることにしたって言ってたわ」
それは、「誰かにほめられたい」が心の底にあったからじゃないの?
だからあんな夢を見せて──私にああ言わせたんじゃないの?
「それからこの絵本を見なくなったんだけど、倉庫にあったのね」
お母さんは懐かしそうにサルビアの絵をなでた。
「自分でほめることにしたから、これは封印したってこと?」
「たぶんね」
お母さんが寂しそうに笑うと、見計らったように電話が鳴った。
お母さんが電話に出るためにダイニングから離れて廊下に出る間に、私はもう一つ大事なことを思いだそうとしていた。
どうして赤いサルビアだけを植えるのか、どうしてサルビアなのか。
赤い理由はわかる。目立つから、迷わないようにだ。
でもどうしてサルビア?



