庭でサルビアが笑ってる




 絵をお母さんに見せると、感情のわからない目で静かにサルビアの絵を凝視する。



「お母さん……?」



 不安になって声をかけた。セミの声とエアコンの機械音が妙にうるさい。



「……座って話しましょう」



 お母さんは抑揚のない声でそう言うと、私をダイニングまで連れていって椅子に座らせた。


 そのまま自分も対面に座って、絵をテーブルに置いた。



「お母さん、これっておばあちゃんの絵なの?」


「そうよ。おばあちゃんが自分をなぐさめるために描いた絵本」



 絵本?


 せいぜい紙芝居じゃ……?



「私が勝手にそう呼んでるの」



 気持ちが顔に出ていたようで、お母さんは苦笑してそう教えてくれた。



「でも“なぐさめる”ためって?」


「……おばあちゃんの子どもの頃の話、知ってる?」



 ……全然だな。自分から話す人じゃないし。