庭でサルビアが笑ってる




「るつちゃん、がんばったね」



 私はおもむろにるつちゃんの頭を抱きしめて、そうなぐさめた。



「お父さんがいなくても、家を守って……もっと遠くに行っちゃうって知らされても笑顔だった」


「……」


「すごいよ、るつちゃんは」



 るつちゃんの震える手が、私の背中に回された。


 胸の辺りに、顔が押しつけられる。


 じんわりと濡れる感じがした。


 そのまましばらくの間、るつちゃんの気がすむまで待ち続ける。



「るつちゃん、お父さんが帰ってきたらいっぱい甘えようね」



 そう言って頭をなでると、かすかな寝息が聞こえてきた。


 今までの疲れが出てしまったのと、この気候のせいだろう。


 ……その条件は私にも当てはまるわけで……。



「ふわぁ」



 思わずあくびをかましてしまった。


 私も少しだけ眠ろうか。


 起きたら……目を覚ます方法を探して……。