庭でサルビアが笑ってる




 この幸運に、私たちは顔を見合わせて微笑んだ。



「あの、お父さんは目を覚ましているんですか?」


「ああ、昨日ね、目を覚ましたんだよ」



 その事実を聞いて、るつちゃんの目が潤んだ。



「るつちゃん、よかったねぇ……!」



 るつちゃんのお父さんは無事に目を覚ました。


 これでるつちゃんの望みは叶ったのと同じ。


 あとは……私はどうやって目を覚ますかだけど……。


 今は考えないようにしよう。



「さぁ、ここだ」



 階段を登って、るつちゃんのお父さんがいる病室に入る。


 そこには、ベッドに横たわって窓の外を見ている男の人がいた。



「お父さん……?」



 るつちゃんの震える声に、男の人が振り返る。



「るつ?」



 振り返った男の人に、るつちゃんがかけ寄った。



「お父さん、無事で……!」



 それ以上は言葉にならなかったらしく、るつちゃんはお父さんにしがみついて泣きじゃくった。