庭でサルビアが笑ってる




 しん……と静まりかえる中で、演奏が始まる。


 私は琴の音の良し悪しなんてちっともわからないけど、女の子の嬉しそうな空気だけはよくわかった。


 それは木に止まっていた鷽も同じみたいで、弦が弾かれる音に合わせて、あの口笛のような鳴き声が響きわたる。


 ふと木を見上げると、鷽以外も小鳥が集まって調子よくさえずっていた。


 その様子は私以外も気づいていたみたいで、おじいさんはほう……とうっとりしたため息をついていた。


 女の子の渾身の一曲が終わり、深々と頭を下げる。


 次の瞬間、割れんばかりの拍手が庭から空に届けとばかりに湧きあがった。



「いい音だった!」


「すごいわ!」



 浴びせられる褒め言葉に、女の子は一瞬だけびっくりして──すぐに顔をくしゃくしゃにして笑った。


 お母さんも出てきて、女の子の顔にハンカチを当てている。


 小鳥たちだけが、すました顔で木に止まっていた。