庭でサルビアが笑ってる




 女の子はすぐ琴に夢中になって、起きているときはずっと弾くぐらい練習を重ねた。


 そのうち、鷽が庭の木に止まってさえずるようになった。


 そのさえずりに合わせて琴を弾くうちに、琴がとても上手くなったように感じた。


 誰かに聞いてもらいたいが、病気でそれは難しい。


 それがたまらなく悔しいと、鷽に語って聞かせたのが昨日のこと。



「だから、きっとあなたたちを連れてきてしまったんだわ」



 申し訳ないと頭を下げる女の子を止めて、今度はこっちをじっと見つめる鷽を見つめ返した。


 私たちをこの町で迷うように仕向けたのはあなたたちなの?


 ……そう聞いたところで、きっと答えてはくれないんだろう。



「ねぇ、璢音さん」



 るつちゃんに声をかけられて、私はなにも言わずにうなずいた。


 この子の望みを叶えてあげたいって言うんでしょ。もう言わなくてもわかるよ。