庭でサルビアが笑ってる




 そう願いながら玄関の引き戸を叩くと、割烹着姿の女の人が出てきた。



「どちらさま? 娘のお友だちかしら?」


「いえ、違うんです。鷽がそちらのお庭に入りこんでしまいまして──」



 さて、どう説明しようかと悩んでいたら、「フィーフィー」と口笛を吹くような鳴き声が聞こえてきた。



「まぁ、本当だわ」



 割烹着姿の女の人は庭に入るのを許してくれただけでなく、お茶までご馳走すると言ってくれた。



「ただ……庭の近くにある部屋では娘が伏せっているの」


「わかりました。騒いだりはいたしません」



 るつちゃんの約束に女の人は笑顔を見せると、奥へと引っこんでしまった。


 優しい人でよかった。


 心臓のドキドキが穏やかになるのを感じながら、私とるつちゃんは庭に入らせてもらうことにした。


 相変わらず鷽は楽しそうに鳴いていて、それに合わせるように──