庭でサルビアが笑ってる




 お姉さんは穏やかに笑うと、先頭に立って……ううん、泳いで……とにかく私たちを連れて海の中を進んだ。



「わぁ……!」



 まるで宝石箱の中を歩いてるような気分だった。


 色とりどりの珊瑚礁や、不思議な形をした魚。


 イルカやシャチの群れに、急スピードで泳ぐサメ。


 クジラまで見れたときは、あまりの大きさに船底が通っているのかと勘違いしてしまった。


 るつちゃんも気持ちは同じみたいで、おしゃべりはできなかったけど、嬉しそうな顔やキラキラした目を向けていた。



「もうすぐ町ですよ」



 お姉さんの言葉に、もう海中探検ツアーは終わりなのかと寂しくなる。


 ……でもるつちゃんのお父さんのとこに行かないと。



「さぁ、陸に上がりますよ」



 お姉さんがそう声をかけるのと一緒に、私たちの身体を包む泡がふわりと浮かぶ。


 人気のない浜辺に降ろされると、泡はパチンと弾けてしまった。