お姉さんは少し寂しそうに笑った。
だけどその笑顔はすぐに優しいものに変わる。
「二人のおかげです。お礼をさせてほしいのですが、なにか望みはありませんか?」
私たちは顔を見合わせて、るつちゃんが口を開いた。
「私たちを海の向こうにある町へと連れていってくれませんか?」
お姉さんはにっこりと笑った。
「お安いご用です」
そう言うと、手のひらを空にかかげて小さな泡を作り出した。
その泡はこの強い雨でも消えることなく、少しずつ大きくなって私とるつちゃんをそれぞれ包みこんだ。
あったかい……。
濡れた服や身体が乾いていくのを感じる。
私たちたちが感激している間にも、お姉さんは泡を動かして海の中へと誘導した。
不思議と息苦しくはない。
「このまま向こうの町までお連れします」



