庭でサルビアが笑ってる




「そうね、行きましょう」



 私たちは手をつないで、お姉さんの家に向かった。


 だけど……。



「あの子ならもう行っちまったよ」



 お姉さんのお母さんらしいおばさんは、こっちを見ずにそう言い捨てた。



「明日じゃないんですか?」


「天気が荒れそうだからね、早めに引き取りにきたんだよ」



 そうか、天気!


 嵐になって船が出せなくなる前に、急いで連れていっちゃったんだ。



「あの子に会いたきゃ、見世物小屋に通ったらどうだい?」



 おばさんが鼻で笑った、そのときだった。



 ──ドォン!



 ……すぐ近くで花火が上がったのかと、一瞬思った。


 違う。こんなところで普通は花火なんか上げない。



「璢音さん、ケガはない?」



 るつちゃんの言葉に、ゆっくりと目を開けた。


 目の前が暗い……けど、周りがすごく騒がしいのはわかる。



「大丈夫だよ……なにがあったの?」