庭でサルビアが笑ってる




 すぐ退院できるって聞いたけど、もう年なんだから大事にしてもらわないと。


 エアコン代がもったいないからって……入院代のほうが絶対にお金かかるのに。


 庭に引いている水道を使って水をためる。少しだけ涼しい気分になれた。



「ちょっと入れすぎたかな……」



 両手で持ちあげたジョウロはタポタポと水をはねさせている。


 うーん、少し捨てようかな?


 いや、もったいないしこのまま行こう。


 私は水をこぼさないようにゆっくりと花壇に戻った。



「ふぅ……さて、一気に終わらせちゃおう」



 私はそっとジョウロを傾ける。シャワー状になった水が注がれる。


 赤い花が──サルビアがひどく鮮やかに見えて、暑さが強くなったような気がした。


 おばあちゃんが好きな花。


 正式名称は、サルビア・スプレンデンスというらしい。


 青や白のもあるけど、ここにあるのは赤ばかり。