るつちゃんの質問に、お姉さんは言いにくそうではあったけど話してくれた。
お姉さんは人魚ではあったけど、縁があって人間の夫婦に育てられたという。
だけどある日、見世物小屋の主人が訪ねてきて、自分を売るように交渉してきた。
最初は断っていたけど、お金を積まれた挙げ句に人魚は災いをもたらすと吹き込まれて承諾してしまう。
自分は明日には売られてしまうので、それが悲しくて泣いていて、私たちはその声を聞きつけた……。
「ひどいわ、そんなの!」
「お姉さんがいて悪いことは一度も起こらなかったんでしょ?」
私たちがその夫婦に怒ると、お姉さんは悲しそうに笑った。
「人間でもない私が、人間の世界で育ったことが間違いだったのですよ」
「そんなわけないわ!」
「もう泣いたりはいたしません。お二人のような優しい人間がいらしたのですから、それで十分です」



