──人魚!
一瞬だったけど、間違いない。
大きくて綺麗な赤い尾ひれ。
それが、泣いている女の人の腰から下に生えていた。
なんというか、さすがは夢、突拍子もない。
「そこに誰かいるのですか?」
二人して肩が跳ねた。
どうしよう。無視したほうがいいのかな。
「あの……こんにちは」
悩んでいたらるつちゃんが答えてしまった。
私も渋々と窓に顔を出す。
窓といってもガラスははめられてなくて木の枠組みがあるだけの簡単なやつだ。
だから泣き声が聞こえてきたっぽい。
「その、泣き声が聞こえてきて、それで気になって……勝手にのぞいてごめんなさい」
私がたどたどしく声をかけると、人魚のお姉さんは微笑んで頭を横に振った。
「いいのですよ……ありがとう、気にかけてくれたのですね」
「あの、なにがあったんですか?」



