庭でサルビアが笑ってる




 うーん、どこもかしこも資料集かなにかで見た昭和だ。


 町の人たちも思い思いに過ごしていて、ガヤガヤと騒がしい。


 私ってこんなリアリティのある夢を見れたんだな……。


 そんなことを考えながら、町を過ぎ、畑のある農道を過ぎて港町までやってきた。



「ここから船に乗るのよ」


「船に……」



 本当に遠いところに行くんだなぁ、と今さらになって思う。



「あれ、なにか聞こえなかった?」


「え?」



 るつちゃんがいきなり立ち止まってそんなことを言いだした。



「なんだか……泣き声みたいな」


「ちょっと、怖いこと言わないでよ……」



 急にホラー展開?


 さすが夢、なんでもありだ。



「ああほら、あっち」



 るつちゃんがそう言って走りだす。


 私はもう追いかけるしかない。



「こっちだと思ったんだけど」



 追いかけた先は、家が密集するただ中。