庭でサルビアが笑ってる




 覚悟を決めたるつちゃんと私は、遠い街で入院しているというお父さんに会うために準備を急いだ。



「璢音さんまで一緒に来てもらうのは悪いわ」


「いいの。私のためでもあるし」



 ここにいても帰る方法──目を覚ます方法がわかるわけじゃないし、なにかしら行動したほうがずっといい。


 それに遠い街は大きな街だ。方法がわからなくてもヒントくらいはわかるかも。


 もしわからなくても……そのときはそのときだ。


 それに夢なら突然起きたりするかもしれないし。


 自分に言い聞かせながら、るつちゃんが用意してくれた服を着た。


 るつちゃんが言うには、「その服だと悪目立ちしてしまうから」だそう。



「そうだね、これだと変な人に絡まれたりするかも」


「脱いだ服や靴はこれに包んで」



 るつちゃんは風呂敷と紙袋を用意してくれた。


 なにからなにまで、本当にありがたい。