サイクリングは四人グループ分けされていた。
「……あっ」
私は同じグループに、部長がいることに気づいた。
昨日の夜のことが気まずくて、
今日はまともに会話もしていない。
幸い、結奈ちゃんがいるから逃げ場はありそうだ。
「先輩、昨日の夜、部長と何か話しました」
急に結奈ちゃんが、
いたずらっ子のような笑みを浮かべながら、
私の耳元で囁いた。
「っ……もう!気まずくて、仕方なかったよ!」
そう言えば、昨日部長が中庭に行くように仕向けたのは、他でもない結奈ちゃんだったからだ。
「そうだったんですか〜?」
「おかげで今日も気まずいよ!」
私は部長に聞こえないように、
様子を伺いながら、結奈ちゃんに不満をぶつける。
「だってぇーー」
「出発するぞ」
結奈ちゃんとの会話が終わる前に、
部長の声で、私たちのグループは出発した。
先頭は、部長。
その後ろに、ハゲてない新課長。
私と結奈ちゃんは、その後を追って自転車を漕ぐ。
「ヘルメットださくて、恥ずかしいですぅ」
私の後ろを走る結奈ちゃんは、
サイクリングが始まっても、
まだ文句を言い続けていた。
でも、結奈ちゃんがいてくれるおかげで、
なんとか空気は保たれている。
「いや、やっぱ気まずいわ!」
思わずツッコミが口から飛び出した。
慌てて前後を確認する。
しかし、
誰も私の独り言など聞いていないようだった。
みんな必死に自転車を漕いでいる。
私はほっと胸を撫で下ろした。
そうして私たちは、
秋晴れの明日香村を自転車で巡っていた。
その時の私は、
この場所で自分の運命が大きく動くことなど、
まだ知らなかった。
「……あっ」
私は同じグループに、部長がいることに気づいた。
昨日の夜のことが気まずくて、
今日はまともに会話もしていない。
幸い、結奈ちゃんがいるから逃げ場はありそうだ。
「先輩、昨日の夜、部長と何か話しました」
急に結奈ちゃんが、
いたずらっ子のような笑みを浮かべながら、
私の耳元で囁いた。
「っ……もう!気まずくて、仕方なかったよ!」
そう言えば、昨日部長が中庭に行くように仕向けたのは、他でもない結奈ちゃんだったからだ。
「そうだったんですか〜?」
「おかげで今日も気まずいよ!」
私は部長に聞こえないように、
様子を伺いながら、結奈ちゃんに不満をぶつける。
「だってぇーー」
「出発するぞ」
結奈ちゃんとの会話が終わる前に、
部長の声で、私たちのグループは出発した。
先頭は、部長。
その後ろに、ハゲてない新課長。
私と結奈ちゃんは、その後を追って自転車を漕ぐ。
「ヘルメットださくて、恥ずかしいですぅ」
私の後ろを走る結奈ちゃんは、
サイクリングが始まっても、
まだ文句を言い続けていた。
でも、結奈ちゃんがいてくれるおかげで、
なんとか空気は保たれている。
「いや、やっぱ気まずいわ!」
思わずツッコミが口から飛び出した。
慌てて前後を確認する。
しかし、
誰も私の独り言など聞いていないようだった。
みんな必死に自転車を漕いでいる。
私はほっと胸を撫で下ろした。
そうして私たちは、
秋晴れの明日香村を自転車で巡っていた。
その時の私は、
この場所で自分の運命が大きく動くことなど、
まだ知らなかった。

