今日は久しぶりに、あの夢を見た。
まるで私自身が、軽大娘皇女になる夢。
私は白い衣をまとっていた。
見覚えのある場所。
いや、見覚えがあるはずがない。
それなのに知っている。
胸が苦しくなるほどに。
遠くから、大勢の人の声が聞こえる。
泣いている人。
怒鳴っている人。
何かを責める人。
その全てが、
私たちへ向けられていた。
私は走る。
必死に。
誰かの手を握りながら。
その手の主を見上げる。
悠真と同じ顔。
でも、悲しみに満ちた顔をしていた。
「軽大娘」
彼は私の名を呼ぶ。
その声を聞いた瞬間、胸が締め付けられた。
離れたくない。
離れたくないのに。
周囲の声は、それを許してくれなかった。
『許されぬ』
『穢れた関係だ』
『皇子を追放せよ』
そんな言葉が、刃のように飛んでくる。
私は耳を塞ぎたかった。
でも、彼の手だけは離したくなかった。
気づけば景色が変わっていた。
見知らぬ海。
荒々しい波。
冷たい風。
伊予国――。
軽皇子が流された地。
私は震える足で、彼の元へと駆け寄る。
そして抱きしめた。
「なぜ来た」
そう言いながらも、彼は泣いていた。
私も泣いていた。
会いたかった。
ただ、会いたかった。
それだけだった。
しかし。
幸せな時間は長く続かなかった。
どれだけ願っても。
どれだけ祈っても。
私たちに未来は与えられなかった。
夜の海が見える。
波の音が聞こえる。
冷たい風が吹く。
軽皇子は静かに私を抱き寄せた。
「すまぬ」
違う。
謝らないで。
そう言いたいのに、声が出ない。
「本当は」
彼は苦しそうに笑う。
「お前を幸せにしたかった」
涙が溢れる。
止まらない。
「だが、それは叶わなかった」
私は首を振る。
違う。
そんなことない。
あなたと一緒なら――。
「軽大娘」
彼は私の頬に触れた。
震える指。
愛おしそうな瞳。
そして。
「来世があるなら」
そう言って、彼は額を私に寄せた。
「今度こそ、お前を守りたい」
その言葉と共に。
私たちは手を繋いだまま、
荒れ狂う海へと入っていく。
そのま、暗闇へと落ちていった。
離れないように。
二度と離れないように。
強く。
強く。
手を握りながら。
まるで私自身が、軽大娘皇女になる夢。
私は白い衣をまとっていた。
見覚えのある場所。
いや、見覚えがあるはずがない。
それなのに知っている。
胸が苦しくなるほどに。
遠くから、大勢の人の声が聞こえる。
泣いている人。
怒鳴っている人。
何かを責める人。
その全てが、
私たちへ向けられていた。
私は走る。
必死に。
誰かの手を握りながら。
その手の主を見上げる。
悠真と同じ顔。
でも、悲しみに満ちた顔をしていた。
「軽大娘」
彼は私の名を呼ぶ。
その声を聞いた瞬間、胸が締め付けられた。
離れたくない。
離れたくないのに。
周囲の声は、それを許してくれなかった。
『許されぬ』
『穢れた関係だ』
『皇子を追放せよ』
そんな言葉が、刃のように飛んでくる。
私は耳を塞ぎたかった。
でも、彼の手だけは離したくなかった。
気づけば景色が変わっていた。
見知らぬ海。
荒々しい波。
冷たい風。
伊予国――。
軽皇子が流された地。
私は震える足で、彼の元へと駆け寄る。
そして抱きしめた。
「なぜ来た」
そう言いながらも、彼は泣いていた。
私も泣いていた。
会いたかった。
ただ、会いたかった。
それだけだった。
しかし。
幸せな時間は長く続かなかった。
どれだけ願っても。
どれだけ祈っても。
私たちに未来は与えられなかった。
夜の海が見える。
波の音が聞こえる。
冷たい風が吹く。
軽皇子は静かに私を抱き寄せた。
「すまぬ」
違う。
謝らないで。
そう言いたいのに、声が出ない。
「本当は」
彼は苦しそうに笑う。
「お前を幸せにしたかった」
涙が溢れる。
止まらない。
「だが、それは叶わなかった」
私は首を振る。
違う。
そんなことない。
あなたと一緒なら――。
「軽大娘」
彼は私の頬に触れた。
震える指。
愛おしそうな瞳。
そして。
「来世があるなら」
そう言って、彼は額を私に寄せた。
「今度こそ、お前を守りたい」
その言葉と共に。
私たちは手を繋いだまま、
荒れ狂う海へと入っていく。
そのま、暗闇へと落ちていった。
離れないように。
二度と離れないように。
強く。
強く。
手を握りながら。

