私が拾ったのは、千年前の皇子でした

ピピピ。

目覚ましの音で、目が覚める。

時計を見る。

7:30。

「やばっ!」

ベットから飛び起きて、急いで、
スーツに着替える。

「遅刻しちゃう!遅刻っしちゃう!」

寝室を飛び出す。

すると、いい匂いが漂ってきた。

机を見ると、私が作った朝食よりも、
何千倍も美味しそうな、朝食が並んでいた。

「おはよう」

悠真が、座って待っていた。

美味しそう……

「え、これ悠真が作ったの?」

私が、驚いた表情で聞くと、

「昨日の、映画とやらで見たものを、
真似してみたのだ」

そう言って、少し誇らしげに笑う。

天才かよ!

私はとんでもねぇやつを、拾ってしまったのか!

心の中で叫んでいると、時計が目に入った。

「やば!電車に遅れちゃう!」

流石に遅刻はできない。

「悠真ごめん。私、もう行かないと」

そう私が、罪悪感でいっぱいになっていると、
悠真は立ち上がり、私の頭を撫でた。

「良い良い。今から仕事やらにいくのだろ」

そう言いながら、悠真は笑った。

「これは、我の昼食にする。だから気にするな」

思いがけない、悠真の言葉に、感動する。

なんて、できたやつなんだ!

「ごめんね!明日は食べるから!」

靴を履き、ドアを開ける。

「いってきます」

「気をつけてな」

一人の時も、言っていた言葉。

でも、今日は今までとは違う。

それが、とてつもなく、嬉しかった。

ドアを閉める時、一瞬、悠真の顔が見えた。

彼は優しく微笑んでいた。

「よし!今週も頑張るぞ!」

私の声は、アパートの廊下に、響き渡った。