家に帰り、悠真をソファに座らせる。
悠真は、興奮冷めあらぬという感じで、
「シャンプーとはあんなに、気持ちいいのだな」
「髪があっという間に無くなり、別人のように、
なるなど、やはりあやつは魔術師だ」
と、喋り続けている。
そんな悠真を、私は睨みつける。
悠真も何かを察したのか、静かになる。
「“喋るな“っていたよね?」
「はい」
「あなた、喋りましたよね?」
「かたじけない」
「ふざけんじゃないわよ!私まで変人みたいに思われたじゃない!」
そんな私を、悠真は申し訳なさそうに見つめている。
「っ……」
その顔は反則だよ。
「はぁ……」
悠真の隣に座り込む。
「まあ、初めてにしては、よくやったんじゃない」
そう言うと、悠真の顔は明るくなり、
「そなたのおかげだ!ありがとう!」
と、笑顔で言った。
ま、眩しい……
イケメンの笑顔を、
こんな近くで見せられるなんて反則だ。
その瞬間だった。
『軽大娘――そなたは美しい』
ふいに、声が頭の奥で響いた。
優しく、どこか懐かしい声。
私は思わず目を見開く。
けれど、
目の前にいる悠真は、
不思議そうにこちらを見ているだけだった。
……今のは、一体。

