私が拾ったのは、千年前の皇子様でした

私は片付けを終え、お風呂に入っていた。

「ふぅ……」

今日一日で溜まった疲れが、
お湯と一緒に溶けていくようだった。

やっぱり実家のお風呂は落ち着く。

ふと窓へ目を向けると、
夜空には丸くなりかけた月が浮かんでいた。

「もうすぐ満月だなぁ……」

その時だった。

ガタッ。

突然、冷たい風が浴室へ吹き込んできた。

「ひゃっ!寒っ!」

お湯で温まって忘れていたが、今は真冬だ。

私は慌てて窓を閉め、急いで浴室を出た。

「寒い〜……」

脱衣所まで冷え切っている。

実家は昔ながらの木造家屋だから、
隙間風が容赦なく入り込んでくる。

「やっぱり寒すぎる……」

急いでパジャマを着込み、
タオルで髪を拭きながらドライヤーをかける。

東京のアパートなら、浴室暖房もあるし、
脱衣所にはヒーターも置いてある。

そう思うと、少しだけアパートが恋しくなった。

「やっぱり、帰ってくるのやめようかな……」

そんなことをぼんやり考えながら、
私は髪を乾かし終え、
湯冷めしないよう急いで居間へ向かった。