私が拾ったのは、千年前の皇子様でした

「それで、悠真くんは千紘のどこが好きなんだ?」

父の一言で、その場が一気に静かになった。

あれだけ盛り上がっていた宴会なのに、
みんな悠真の返事を待っている。

「ちょ、お父さん!」

私は慌てて止めようとする。

しかし、父はもう日本酒を片手にご機嫌だ。

「別にいいじゃないか〜」

その隣では、悠真も勧められるがままに酒を飲み、
すっかり顔を赤くしていた。

「千紘の好きなところぉ〜?」

まずい。

これは本格的に酔っている。

私は慌てて悠真の口を両手で塞ぐ。

「もう!変なこと言わなくていいから!」

「むぐっ!」

悠真は必死に何か言おうとしている。

「千紘〜、聞かせろよ〜」

父まで身を乗り出してくる。

「お父さんも酔っぱらってるでしょ!」

「いいじゃないか〜」

祖父も笑いながら頷いている。

「若いっていいわねぇ」

祖母まで笑っている。

完全に味方がいない。

その時だった。

悠真が私の手をそっと外した。

「僕は……」

私は固まる。

お願いだから、余計なこと言わないで。

「千紘は……」

悠真はふにゃっと笑う。

「よく食べて、よく笑って、よく怒る。」

「え?」

「でも、その全部が好きだ」

一瞬、部屋が静まり返る。

そして次の瞬間。

「「おぉ〜!!」」

父も母も祖父母も、大盛り上がりだった。

「もう!」

私は顔を真っ赤にしながら、座布団で悠真を叩いた。

「いてっ」

「酔っ払い!」

「本当のことを言っただけではないか」

「それが恥ずかしいの!」

私が叫ぶと、居間はさらに大きな笑い声に包まれた。

その夜は、家族全員が笑顔のまま、
どんちゃん騒ぎが夜遅くまで続いた。