美緒の特訓から数日。
私たちは飛行機に乗っていた。
「千紘! 雲の上を飛んでいるぞ!」
悠真は子どものように目を輝かせながら、
窓にへばりついて外を見ている。
「ちょっ、悠真! 大きな声出さないで!」
私は慌てて悠真の服を引っ張る。
「しかし見よ! あの雲は下にあるのだぞ!」
「わかった、わかったから!」
周りを見ると、近くの乗客がクスクスと笑いながら、
こちらを見ていた。
恥ずかしい……。
「悠真、静かにしないと飛行機を降ろされるよ」
とっさに嘘をつく。
「なにっ!」
悠真は驚いたように口を押さえ、
背筋をぴんと伸ばして席に座り直した。
「……」
「……」
三十秒後。
「千紘」
小声で話しかけてくる。
「なに?」
「鳥より高く飛んでおるな」
「うん」
「すごいな」
その嬉しそうな横顔を見ていると、
なんだか私まで嬉しくなってきた。
でも。
周りの人たちは、
やっぱり不思議そうにこちらを見ている。
変な汗が出てくる。
早く飛行機を降りたい。
そう思いながら私は、小さくため息をついた。
私たちは飛行機に乗っていた。
「千紘! 雲の上を飛んでいるぞ!」
悠真は子どものように目を輝かせながら、
窓にへばりついて外を見ている。
「ちょっ、悠真! 大きな声出さないで!」
私は慌てて悠真の服を引っ張る。
「しかし見よ! あの雲は下にあるのだぞ!」
「わかった、わかったから!」
周りを見ると、近くの乗客がクスクスと笑いながら、
こちらを見ていた。
恥ずかしい……。
「悠真、静かにしないと飛行機を降ろされるよ」
とっさに嘘をつく。
「なにっ!」
悠真は驚いたように口を押さえ、
背筋をぴんと伸ばして席に座り直した。
「……」
「……」
三十秒後。
「千紘」
小声で話しかけてくる。
「なに?」
「鳥より高く飛んでおるな」
「うん」
「すごいな」
その嬉しそうな横顔を見ていると、
なんだか私まで嬉しくなってきた。
でも。
周りの人たちは、
やっぱり不思議そうにこちらを見ている。
変な汗が出てくる。
早く飛行機を降りたい。
そう思いながら私は、小さくため息をついた。

