私が拾ったのは、千年前の皇子様でした

アクセサリーショップへ着くと、美緒は迷うことなく、二つ並んだネックレスを指差した。

「これでいいじゃん!」

「え!? はやっ! ……って、これペアじゃん!」

私は思わず声を上げる。

「そうだけど?」

「付き合ってるわけじゃないし!」

慌てて否定すると、美緒は吹き出した。

「ちょっと! 真剣に考えてよ!」

「真剣だから言ってるの」

美緒はショーケースを覗き込みながら続けた。

「お揃いって別に恋人だけのものじゃないでしょ」

「でも……」

「これは恋人の証じゃない」

そう言って、美緒はネックレスを優しく指差した。

「二人の絆の証」

その言葉に、私はもう一度ショーケースへ目を向ける。

「これって……」

「そう。勾玉みたいな形」

淡いシルバーの勾玉。

表面には古代の文様を思わせる繊細な彫刻が施され、
中心には深い緑色の天然石が埋め込まれている。

もう片方には、優しい桜色の石。

二つを並べると、
一つの円になるようなデザインだった。

「綺麗……」

思わず呟く。

悠真がこれを着けている姿を、
自然と想像してしまった。

似合うかもしれない。

そう思った瞬間、もう答えは決まっていた。

「これにする」

美緒は満足そうに笑う。

「うん。それが一番、千紘たちらしい」