私が拾ったのは、千年前の皇子様でした

「何がいいかな〜?」

お店がたくさんあり過ぎて、
何がいいのか全くわからない。

「古代人の彼は何が好きなの?」

「古代人って」

「古代人だから、肉とか魚とか?」

「いやいや、さすがに現代の暮らしには慣れてるし。というか、美緒の古代人のイメージどうなってんの?」

「狩猟採集民族」

「そこまで昔じゃないって!」

思わずツッコむと、美緒は吹き出した。

「冗談だよ、冗談」

「もう……」

「じゃあさ、今まで何かプレゼントしたことある?」

「ん〜……」

私は指を折りながら考える。

「服はあげたかな。元カレのだけど」

「待って」

「靴も買ったし、コートも買った」

「待ちなさい」

美緒は私の肩を掴み、真剣な顔になる。

「千紘」

「なに?」

「クリスマスプレゼントに元カレのお下がり渡したの?」

「いや、その時は必要だったから!」

「皇子様かわいそう!」

「しょうがなかったんだって!」

二人で笑いながら歩く。

「じゃあ、アクセサリーとかは?」

「あっ、それは買ったことないかも」

美緒はニヤリと笑った。

「決まりだね。」

「え?」

「アクセサリーショップ、行くよ!」

そう言うなり、美緒は私の腕を掴み、
ぐいぐいと歩き始める。

「ちょっ、美緒!速いって!」

私は半ば引きずられるようにして、
アクセサリーショップへ向かった。