偽りの恋

ボウリング場で投げる球は中学生にしては重かったみたいだ──。


だがそれを嘆く時間は短かった。


関節が痛いと嘆く彼女にロキソニンを飲ませ、出来る競技から、とのことで──


少女はやはり機転が効く。のか──



ダーツの腕がピカイチだった。


銃を持たされたら一発合格だろう。恐ろしいほど強靭な身体能力だ。


ボウリングの球に腕力と握力に込め


軌道に乗せた──。


ガター。やはり関節の痛みがきてるのか──。



「今できなくてもまたやらせてやる。


これくらいお構いなしだ──」


三日後。


流による力加減が見違えるほど


よくなった。



「やっぱり俺の見初めた相手だな。


力に柔軟性がある」



髪を撫でソファーに座ってると、



業務連絡。



「その女預かせて貰う」


どれくらい力の幅と機転のよさに


気づいたのか、


社長からの一礼。



申し訳なく受け取り、


点々と少女を預けるのは


滅入った。



気力が湧いて来ない。


テーブルランプをぶっ壊したり家電用品をぐちゃぐちゃにしたり


とめどない怒りが行き渡った室内だった。


気づいた時には世間に当てつけのように


暴れた俺と怯える彼女──。



大切に扱っていたとしても


こんな体たらくはないだろう──。


「おいで」


腕を広げるも、彼女は


部屋から出ていってしまった──。


当然だ。こんなに怒りを露わにしたら


歴然とした哀れみが襲いかかるだろう──。


俺にはわかる。


例えそれが、


偽りの恋だとしても──。