トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-

部屋の中は静かだった

誰も口を挟まない

俺たちはただ見ていた

少しずつ

本当に少しずつ

奏の呼吸が戻っていく

「……っ」

涙が落ちる

「俺……」

声が震える

「俺……」

言葉にならない

紗凪は何も急かさなかった

ただ奏の隣にいた

「奏くん」

優しい声

「今は記事もSNSも見なくていい」

「傷つかないで」

奏が唇を震わせる

「でも……」

「みんな俺のこと……」

その言葉を聞いた瞬間

胸が痛んだ

紗凪は首を横に振る

「違う」

はっきり言った

「今ネットにいる人たちは奏くんのことを知らない」

「でも」

少しだけ微笑む

「ここにいる人たちは知ってる」

そう言って優しく奏を抱きしめた


その瞬間奏の目から大粒の涙が零れ落ちた

俺はその光景を見ながら思う

本当に

この人は強い

救命の現場で命を支える看護師だからじゃない

人の心が壊れそうな時

そばにいてくれる強さを持っている

俺は拳を握り締めた

絶対に守る

奏も

黒騎士も

そして

今俺たちを支えてくれている、紗凪のことも

何があっても