原宿
午前8時台
それでも人は多い
観光客、学生、出勤前の会社員
俺たちはカメラを少し離した状態で歩き始めた
「うわ、なんか普通に緊張するっすね」
奏が小声で言う
「お前、緊張とかするんだ」
「しますよ」
そう言いながらも、奏はどこか楽しそうだった
スタッフが少し離れた位置から合図を送る
“ターゲット発見”
最初に声をかけたのは、大学生くらいの女性二人組だった
「すみませーん、インタビューいいですか?」
奏が自然に声をかける
「あ、はい!」
最初は普通の反応
でも
数秒後
片方の女性が、俺たちをじっと見る
「……え?」
空気が変わった
「あれ……?」
「え、待って……うそ……」
次の瞬間
「黒騎士?!?!」
絶叫
周囲の人間が一気に振り返る
「あ、バレたじゃん」
奏が笑う
スタッフたちも慌てて動き出す
「すみません押さないでくださーい!」
人が集まり始める
スマホを向けられる
歓声
悲鳴
——これが、黒騎士の日常
俺たちは笑顔を崩さないまま、インタビューを続けていく
「ちなみに黒騎士の中だと誰推しですか?」
奏が聞く
すると女性たちが顔を真っ赤にしながら叫ぶ
「佐野陽貴くんです!!」
「えー俺は?」
「奏くんも好きです!」
「ついで感ひど」
笑いが起こる
現場はかなり盛り上がっていた
そしてロケ開始から約一時間後
次のインタビュー相手として、一人の女性がスタッフに呼び止められる
長い髪
派手すぎないメイク
上品そうな服装
年齢は20代前半くらいだろうか
「あ、はい大丈夫です」
柔らかく笑いながら、彼女はこちらへ歩いてくる
その時
何故か一瞬だけ
優朔が小さく眉を寄せた
でも
その違和感に気づいたのは、多分俺だけだった
午前8時台
それでも人は多い
観光客、学生、出勤前の会社員
俺たちはカメラを少し離した状態で歩き始めた
「うわ、なんか普通に緊張するっすね」
奏が小声で言う
「お前、緊張とかするんだ」
「しますよ」
そう言いながらも、奏はどこか楽しそうだった
スタッフが少し離れた位置から合図を送る
“ターゲット発見”
最初に声をかけたのは、大学生くらいの女性二人組だった
「すみませーん、インタビューいいですか?」
奏が自然に声をかける
「あ、はい!」
最初は普通の反応
でも
数秒後
片方の女性が、俺たちをじっと見る
「……え?」
空気が変わった
「あれ……?」
「え、待って……うそ……」
次の瞬間
「黒騎士?!?!」
絶叫
周囲の人間が一気に振り返る
「あ、バレたじゃん」
奏が笑う
スタッフたちも慌てて動き出す
「すみません押さないでくださーい!」
人が集まり始める
スマホを向けられる
歓声
悲鳴
——これが、黒騎士の日常
俺たちは笑顔を崩さないまま、インタビューを続けていく
「ちなみに黒騎士の中だと誰推しですか?」
奏が聞く
すると女性たちが顔を真っ赤にしながら叫ぶ
「佐野陽貴くんです!!」
「えー俺は?」
「奏くんも好きです!」
「ついで感ひど」
笑いが起こる
現場はかなり盛り上がっていた
そしてロケ開始から約一時間後
次のインタビュー相手として、一人の女性がスタッフに呼び止められる
長い髪
派手すぎないメイク
上品そうな服装
年齢は20代前半くらいだろうか
「あ、はい大丈夫です」
柔らかく笑いながら、彼女はこちらへ歩いてくる
その時
何故か一瞬だけ
優朔が小さく眉を寄せた
でも
その違和感に気づいたのは、多分俺だけだった


