トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-

 ――そして、ついに待ち焦がれていた1週間が経ち

優朔が地方ロケから帰ってくる日がやってきた

その日は、ちょうど私の日勤の仕事が終わるタイミングで、優朔が直接私の家に来てくれる約束になっていた

ロケから戻ってそのままこちらに向かうらしく

「鍵を開けて部屋で待ってて」と、今朝、久しぶりに電波の繋がった優朔から短いメッセージが届いていたのだ

急いでERの片付けを終わらせ、紗凪に「梓、早く行って!」と笑顔で背中を押されながら、私は一目散に家へと帰ってきた

首元には、優朔がくれたピンクゴールドのネックレスが綺麗に光っている

「ただいま……」

誰もいないはずの自分の部屋に入り、胸の鼓動がドクドクと高鳴るのを感じる

荷物を置いて、手を洗い、リビングのソファに腰掛けるけれど、そわそわして全く落ち着かない

本当に、今日、優朔に会えるんだ

1ヶ月ぶりだ

そう思った、その時だった

カチャリ、と静かに玄関の鍵が開く音が響いた

「――っ!」

私は弾かれたように立ち上がり、廊下へと駆け出した

ドアが開くと、そこには少し大きめのキャリーケースを引き、バケットハットを深く被った優朔が立っていた

靴を脱ぎ、ハットを外して顔を上げた優朔と、真っ直ぐに視線が交差する

ロケ帰りだからか、いつもより少しだけ痩せて、男らしく引き締まったように見える大好きな横顔

「優朔……っ!」

名前を呼ぶと同時に、私は我慢できずに優朔の胸へと飛び込んでいた

わっと彼を抱きしめた瞬間、私の身体は、優朔の大きくて逞しい腕の中にすっぽりと包み込まれた

キャリーケースの手放した手が、私の背中と腰を骨がきしむくらいに強く強く抱きしめてくる

「ただいま、梓やっと、やっと会えたね……」

私の首筋に顔を埋めた優朔の声は、ひどく掠れていて、今にも泣き出しそうなくらい愛おしさに満ちていた

1ヶ月間、ずっと嗅ぎたくてたまらなかった彼の香水の匂いと、懐かしい体温が全身に染み渡っていく

嬉しくて、胸がいっぱいになって、また涙がポロポロと溢れてきた

「おかえりなさい、優朔寂しかった……すごく、寂しかったよ……っ」

「うん、僕もだよ毎日、梓に会いたくておかしくなりそうだった」

優朔は身体を少し離すと、愛おしくてどうしようもないというような熱い瞳で、私の顔をじっと見つめた

そして、私の首元でキラキラと輝くピンクゴールドのネックレスに気づく

「ちゃんと、つけてくれてたんだね」

「うん優朔がくれたお守りだもんずっとつけてたよ」

そう答えると、優朔の口元が、ふっと悪戯っぽく、だけど猛烈に甘い弧を描いた

私の腰を引き寄せ、逃げられないように至近距離で、鼻にかかった低い声で囁く

「手紙に書いた通り、帰ってきたらすぐに会いに行くって約束、守ったでしょ? 」

 優朔の綺麗な指先が、私の顎をそっと上向かせる

「1ヶ月間、ずーーっと我慢してた僕の独占欲、今から全部受け止めてね」

「あ……」

と声を漏らす暇さえ与えないように、優朔の唇が、私の唇へと深く、深く重ねられた

離れていた時間を全て埋めるような、息ができないほど激しくて甘いキス

私たちは玄関のドアのすぐ側で、何度も何度も唇を貪り合い、お互いの愛を確かめ合うように、溶け合うような甘い時間の奥へと溺れていった