優朔が地方ロケに旅立ってから、3週間が経った
あの奇跡のようなビデオ通話があってから、私の心は驚くほど穏やかだった
相変わらず電波が悪くて連絡は滅多に来ないけれど、彼が山奥で一生懸命に戦っているのだと思えば
私もERでの過酷な勤務を笑顔で乗り越えることができた
そんな、あるオフの日の午後
――ピンポーン
静かな部屋に、突然インターホンの音が響いた
インターホン越しに対応すると、宅配便の配達員さんが大きな荷物を抱えて立っていた
「七瀬梓さん宛てのお荷物でお間違いないですか?」
「あ、はいそうですけど……」
最近、何かネットショッピングをした記憶はない
不思議に思いながら段ボールを受け取り、送り主の欄に目を落とした瞬間、私の心臓がドクンと跳ねた
そこには、見慣れた優朔の所属事務所の名前と、彼がよく使う偽名のイニシャルが記されていた
優朔から……!?
慌ててカッターを取り出し、段ボールのテープを剥がす
箱を開けると、中からふわりと、あの夜の車内で嗅いだ優朔の香水の匂いがして、それだけで胸がいっぱいになった
一番上には、1通の小さな手紙
急いで封を切ると優朔の直筆の文字が並んでいた
『梓へ
ロケに出てから、なかなか連絡できなくて本当にごめんね。
寂しい思いをさせてるお詫びと、いつも頑張ってる僕の天使に
サプライズのプレゼントです。気に入ってくれるといいな
あと1週間で撮影が終わるから、帰ったらすぐに会いに行くね
大好きだよ――優朔』
「優朔……」
手紙を胸にきゅっと抱きしめ、じんわりと広がる幸せに口元が緩む
そして、手紙の下にある丁寧にラッピングされた箱をそっと取り出した
リボンを解いて箱を開けると、そこに入っていたのは思わず息を呑むほど綺麗な、ピンクゴールドのネックレスだった
華奢なチェーンの先で、上品で可愛らしい小さなモチーフが、部屋の明かりを反射してキラキラと輝いている
あ……これ
前に優朔と一緒に雑誌を見てたとき「可愛いね」って言ってたやつだ……
あのとき何気なく呟いた僕の言葉を優朔はちゃんと覚えていてくれたんだ
そっと指先でネックレスに触れる
ほんのりピンクがかったゴールドは、私の肌になじむような優しい色合いで
見ているだけで優朔のあたたかい手のひらに包まれているような気持ちになった
「本当に……どこまで優しくしてくれれば気が済むの……」
嬉しさと愛おしさで、胸がぎゅうっと締め付けられる
私はすぐに鏡の前へ行き、少し震える手でそのネックレスを首元につけてみた
鏡の中に映る私の鎖骨のあたりで、可愛いピンクゴールドのモチーフがちょこんと揺れている
まるですぐ近くに優朔がいて「似合ってるよ」とあの優しい声で囁いてくれているみたいだった
手紙に書かれていた【あと1週間で撮影が終わるから、帰ったらすぐに会いに行くね】という言葉を、もう一度見つめる
あと、1週間
このネックレスをお守りにして、優朔のくれたたくさんの愛を胸に抱いていれば、寂しさなんて笑顔で吹き飛ばせる
「頑張るね、優朔」
鏡の中のネックレスにそっと触れながら
私は愛しい人が帰ってくるその日まで、もう一度看護師としての毎日を全力で駆け抜ける元気を、彼からしっかりともらっていた
あの奇跡のようなビデオ通話があってから、私の心は驚くほど穏やかだった
相変わらず電波が悪くて連絡は滅多に来ないけれど、彼が山奥で一生懸命に戦っているのだと思えば
私もERでの過酷な勤務を笑顔で乗り越えることができた
そんな、あるオフの日の午後
――ピンポーン
静かな部屋に、突然インターホンの音が響いた
インターホン越しに対応すると、宅配便の配達員さんが大きな荷物を抱えて立っていた
「七瀬梓さん宛てのお荷物でお間違いないですか?」
「あ、はいそうですけど……」
最近、何かネットショッピングをした記憶はない
不思議に思いながら段ボールを受け取り、送り主の欄に目を落とした瞬間、私の心臓がドクンと跳ねた
そこには、見慣れた優朔の所属事務所の名前と、彼がよく使う偽名のイニシャルが記されていた
優朔から……!?
慌ててカッターを取り出し、段ボールのテープを剥がす
箱を開けると、中からふわりと、あの夜の車内で嗅いだ優朔の香水の匂いがして、それだけで胸がいっぱいになった
一番上には、1通の小さな手紙
急いで封を切ると優朔の直筆の文字が並んでいた
『梓へ
ロケに出てから、なかなか連絡できなくて本当にごめんね。
寂しい思いをさせてるお詫びと、いつも頑張ってる僕の天使に
サプライズのプレゼントです。気に入ってくれるといいな
あと1週間で撮影が終わるから、帰ったらすぐに会いに行くね
大好きだよ――優朔』
「優朔……」
手紙を胸にきゅっと抱きしめ、じんわりと広がる幸せに口元が緩む
そして、手紙の下にある丁寧にラッピングされた箱をそっと取り出した
リボンを解いて箱を開けると、そこに入っていたのは思わず息を呑むほど綺麗な、ピンクゴールドのネックレスだった
華奢なチェーンの先で、上品で可愛らしい小さなモチーフが、部屋の明かりを反射してキラキラと輝いている
あ……これ
前に優朔と一緒に雑誌を見てたとき「可愛いね」って言ってたやつだ……
あのとき何気なく呟いた僕の言葉を優朔はちゃんと覚えていてくれたんだ
そっと指先でネックレスに触れる
ほんのりピンクがかったゴールドは、私の肌になじむような優しい色合いで
見ているだけで優朔のあたたかい手のひらに包まれているような気持ちになった
「本当に……どこまで優しくしてくれれば気が済むの……」
嬉しさと愛おしさで、胸がぎゅうっと締め付けられる
私はすぐに鏡の前へ行き、少し震える手でそのネックレスを首元につけてみた
鏡の中に映る私の鎖骨のあたりで、可愛いピンクゴールドのモチーフがちょこんと揺れている
まるですぐ近くに優朔がいて「似合ってるよ」とあの優しい声で囁いてくれているみたいだった
手紙に書かれていた【あと1週間で撮影が終わるから、帰ったらすぐに会いに行くね】という言葉を、もう一度見つめる
あと、1週間
このネックレスをお守りにして、優朔のくれたたくさんの愛を胸に抱いていれば、寂しさなんて笑顔で吹き飛ばせる
「頑張るね、優朔」
鏡の中のネックレスにそっと触れながら
私は愛しい人が帰ってくるその日まで、もう一度看護師としての毎日を全力で駆け抜ける元気を、彼からしっかりともらっていた


